事件の概要
2026年6月25日早朝、東京・渋谷区のハチ公前広場で警視庁の警察官2名が20代のネパール国籍男性に職務質問を行いました。男性が提示した在留カードを警察官が「偽造品」と判断したため、応援の刑事課員2名も確認したものの、同じく偽造品と判断。男性は出入国管理法違反(偽造在留カード行使)の疑いで現行犯逮捕されました。
その後、別の警察官が「正規のものではないか」と気付き、出入国在留管理庁に照会したところ正規品と確認されたため、男性は逮捕から約1時間後に釈放されました。警視庁は男性に謝罪しています。
なぜ誤認が起きたのか――新様式在留カードとは
出入国在留管理庁は2026年6月14日から、新デザインの在留カードの発行を開始しました。新様式では文字の太さ・配置・カラーリングが旧様式と大きく異なります。今回の職務質問に当たった警察官らは、このデザイン変更を事前に把握しておらず、見慣れない外観から偽造品と判断してしまったものです。
警視庁はこの事実を受け、全署に対して新様式在留カードに関する情報を速やかに周知する方針を示しました。
雇用企業・監理団体が今すぐ取るべき対応
今回の事件は、行政機関が新制度・新様式に関する情報共有を徹底できていない現状を浮き彫りにしました。外国人を雇用する企業や監理団体としては、以下の対応を速やかに講じることが望まれます。
- 新様式カードの見本を全従業員・実習生・特定技能外国人に配布・説明する――職務質問時に「これが正規の新様式です」と説明できるようにする
- 外国人本人に対して、職務質問時の対応を指導する――落ち着いて提示し、必要であれば会社・監理団体の担当者に連絡するよう伝える
- 緊急連絡体制を整備する――夜間・休日を含め、外国人から連絡が入ったときに即対応できる担当者を明確にしておく
- 在留資格の更新時期を管理し、常に有効な在留カードを所持させる――更新が遅れているケースでは特に注意が必要
さくら研修機構からのコメント
公益社団法人さくら研修機構では、受け入れ企業・監理団体に対し、在留カードを含む在留資格管理の最新情報を随時提供しています。新様式在留カードの見本資料の共有や、外国人従業員への説明サポートについてもご相談ください。制度変更時のリスク管理は、雇用企業と監理団体が連携して行うことが最も効果的です。