北海道京極町の農業法人「MTアグリ」の農場で特定技能の在留資格で働いていたミャンマー国籍の男女6人が、農場関係者から暴行やセクハラを受けたと訴えている問題で、支援する札幌地域労働組合は2026年9月9日、札幌市で同法人と初の団体交渉を行った。
以下は労組や被害を訴える側の説明に基づく内容で、暴行やセクハラの事実は認定されたものではない。労組によると、法人側はセクハラについて「肩を指でつついたが、胸や尻は触っていない」と否定し、暴行に関しては明確な説明がなかった。
労組は、仕事のミスを理由に徴収された罰金や未払い賃金もあるとしており、これらは法人側が支払う形で合意した。次回の交渉では暴行の事実確認をする方針という。交渉後、法人側は報道陣の問いかけに応じず、町議ら2人は姿を見せなかった。
労組によると、農場関係者は農場を実質的に経営する京極町議の男性とその息子の2人で、6人のうち20代男性は2026年8月、傷害や暴行の疑いで2人を刑事告訴した。UHB北海道文化放送によると、法人関係者の2人は8月24日にもミャンマーの労働者の男性を金属の棒でたたくなど暴行を加えたとして既に刑事告訴されている。
労組は農業法人に対し、虐待行為の即時停止と、労働者が生活していた不衛生な寮にかかわる費用の返還を求めており、団体交渉を通じて要求の実現を図る方針だという。別のミャンマー人男性(30代・Aさん)は9月7日に都内で記者会見した。
弁護士JPニュースによると、Aさんは2026年5月18日に特定技能で来日し、翌19日から京極町の農場で働き始めたが、5月22日に初めて暴行を受け、6月から7月にかけてはペットボトルを投げつけられたり、金属製の棒のようなもので頭を殴られたりしたと訴えた。
ブロッコリーの洗浄中に棒で頭部を殴られ、意識が半分もうろうとしたこともあったと説明している。会見では、経営者が胸ぐらをつかんで屋外へ引きずり出す様子を捉えたとされる動画が公開された。Aさんは、同僚が寮でたばこを吸ったことを理由に休憩中に寮へ戻ることが禁じられ、トイレを我慢できず屋外で用を足したところを見つかって平手打ちを受けたと説明している。
7月17日には退職届の提出を試みたが農場側に処分されたとして、パスポートと在留カードだけを持って東京へ逃れたという。代理人弁護士らは、経営者とその息子の2人を対象とする刑事告訴を検討していると明らかにし、録音・録画などの証拠は倶知安警察署へ提供済みだとしている。
札幌地域労働組合は、経営者が2022年3月に技能実習生の人権を著しく侵害したとして技能実習計画の認定取消処分を受けたとされ、この処分から47日後に同じ住所に新法人が設立され、代表には親族が就任していたと説明している。これも労組の説明であり、報道では経営者らの氏名は伏せられている。
