出入国在留管理庁・法務省による外国人在留資格制度の審査厳格化と要件見直しが2025年から2027年にかけて相次いで実施される。「経営・管理」「技術・人文知識・国際業務」「育成就労」「特定技能」「永住」など主要な在留資格のほぼすべてにわたる改正が短期間に集中しており、在留外国人および受け入れ企業・支援機関にとって対応が急務となっている。
以下は2026年9月1日時点の公表情報に基づく内容であり、一部は検討段階のものも含む。まず、2025年10月16日にはすでに「経営・管理」の在留資格に係る新基準が施行されている。新基準では資本金・職員数に加え、日本語能力としてB2以上の水準が求められるようになった。
ただし在留資格の更新については2028年10月16日まで経過措置が設けられており、既存の「経営・管理」ビザ保有者はこの期間内に対応の余地がある。2026年3月からは「技術・人文知識・国際業務」について、派遣先での業務実態の調査が始まる。
専門性のない業務、すなわち在留資格の本来の趣旨に沿わない業務への従事が確認された場合には取り締まりの対象となる。2026年6月改定のガイドラインでは、納税をはじめとする公的義務の履行状況について、関係機関から得た情報を在留資格の変更・更新の許否判断に用いる場合があることが明記された。
これにより、税や社会保険料の滞納が在留資格の継続に直接影響しうる制度的な根拠が明確になった。在留資格の申請にかかる手数料についても2026年10月1日から段階制へと変更される。従来一律だった手数料は在留期間に応じた段階制となり、5年の場合は7万5000円、永住許可の手数料は現行の1万円から20万円へと大幅に引き上げられる。
なお、オンライン申請を利用する場合や生活困窮かつ人道上の配慮に該当すると認められる場合には、減額制度が設けられる。2026年8月には永住許可に関する新ガイドライン案も公表された。この案では、日本人世帯の平均収入を上回る安定した年収(2026年10月先行適用予定)、30年間の厚生年金加入と同水準の受給見込み、日本語能力B1相当の水準、そして「結婚後5年以上かつ在留3年以上」の配偶者要件が求められるとされている。
正式な施行は2027年4月が予定されている。技能実習制度を廃止して導入される育成就労については、2027年4月の制度導入後、一定の条件を満たした場合に本人の希望によって同一業務分野内での勤務先変更が認められるようになる。現行の技能実習では原則として転籍が制限されており、これが大きな制度上の変化となる。
特定技能については、2号への移行が重要な意味を持つ。特定技能2号に移行すると在留期間の更新回数に上限がなくなるほか、家族帯同が認められ、永住許可に必要な在留期間の算定にも算入されるようになる。受け入れ企業の担当者や監理団体・登録支援機関が実務上確認すべき点は多岐にわたる。
「経営・管理」ではすでに新基準が施行済みであるため、新規申請はもちろん更新時においても2028年10月16日までの経過措置の期限を踏まえた準備が必要だ。「技術・人文知識・国際業務」の派遣活用では、2026年3月以降に派遣先での業務内容が審査対象となるため、職務内容と在留資格の整合性を事前に確認しておく必要がある。
納税・社会保険料等の公的義務の履行状況が在留資格審査に反映されることが明記されたことも、受け入れ側の実務管理において重要な変化である。永住申請を視野に入れる外国人材を支援する立場にある場合は、年収・年金加入・日本語能力・婚姻要件のいずれについても新ガイドライン案の水準を早期に確認しておくことが求められる。
また、2026年10月以降に予定される手数料の大幅改定、特に永住手数料の1万円から20万円への引き上げは、申請時期の判断にも影響しうる。各制度の最新情報は出入国在留管理庁等の関係サイトで随時確認する必要がある。
