外国人の在留資格を巡る制度が急変している。ビザの申請・更新手数料が10月から大幅に値上げされるほか、永住許可の年収基準が引き上げられ、申請費用も20倍となる見通しである。慢性的な人手不足の各産業を支える技術者や経営者らの居住資格が厳格化され、帰国を余儀なくされる人が後を絶たない状況にある。
静岡県内の当事者や雇用主の企業からは不安の声が上がっている。伊豆の国市南條で鮨店「桜鮨」を営むベトナム人のホアン・クオック・アインさん(31)も、その影響を受けた一人である。同店は25席の店内でコメを炊き、魚をさばく営業を行っている。
アインさんは「夢だった開店直後の知らせにショックが大きかった。事前に知っていたら開業しなかった」とため息をついている。事業者向けの在留資格である「経営・管理」は昨年10月に大きな変更が行われた。必要な資本金が「500万円以上」から「3千万円以上」へと6倍に増加したのである。
この厳格化の影響は統計にも表れており、昨年10月から今年3月末までの新規申請件数は月平均約70件となり、厳格化前と比べて96%も減少している。客足を伸ばそうと5月に始めたベトナム料理のチラシを見つめるアインさんの姿からは、新しい制度への対応に向けた努力がうかがえる。
