来日予定の外国人が入国できない背景
「来るはずの7人が…」というニュースが示すように、受け入れ企業が待機していても外国人材が来日できないケースが相次いでいます。その主な原因は、出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)に基づく在留資格認定証明書(COE)の不交付、または発行に予想以上の時間を要することにあります。
在留資格認定証明書とは何か
在留資格認定証明書は、外国人が日本へ入国する前に、受け入れ企業や監理団体が入国管理局に申請し、当該外国人が日本で働く在留資格要件を満たしているか事前に確認してもらう書類です(入管法第7条第1項)。これが認定されないと、申請者の外国人は領事館でビザを取得できず、来日することができません。
不交付・遅延の主な理由
COEが不交付または遅延する理由としては、①雇用契約書などの書類不備、②受け入れ企業の労務管理体制が不十分と判断された場合、③申請時点での技能実習生やそれ以前の特定技能者に対する法令違反が発覚した場合、などが挙げられます。特に技能実習法違反歴がある企業や、前回の実習生受け入れ時に問題があった企業は、審査が厳格化される傾向があります。
監理団体・受け入れ企業が講じるべき対策
まず重要なのは、申請前の事前相談です。さくら中央法務事務所(在留資格専門)を含む行政書士事務所に事前に相談し、申請書類の完全性を確保することが必須です。次に、受け入れ企業の過去の法令遵守状況を整理し、技能実習法や最低賃金法などの違反がないことを証明する準備が重要です。また、募集から選考・配置までのプロセスを文書化し、透明性を示すことも不交付リスク軽減につながります。
育成就労制度との関連
2024年から開始された育成就労制度は、従来の技能実習制度と異なる要件を設定しており、在留資格認定の判断基準も一部異なります。新制度への移行を検討する場合も、事前の専門家相談が重要です。
在留資格認定証明書の不交付・遅延は、受け入れ企業の事業計画に深刻な影響を与えます。予定していた外国人材が来日できず、人員不足で現場が混乱し、既に日本にいる外国人材への負担が増加することもあります。監理団体は複数企業のスケジュール管理を余儀なくされ、対応コスト増と信頼喪失のリスクを背負うことになります。
よく見落とされるのは、申請時点での「最新の法令遵守状況」の重要性です。過去3年以内に軽微な違反があった場合、入国管理局の調査が厳格化される可能性があります。また、雇用契約書の日本語訳の不備や、外国人材の学歴・職歴の虚偽申告リスクについても事前チェックが不十分になりがちです。COEの申請は単なる書類手続きではなく、企業のコンプライアンス体制全体を問われることを認識することが重要です。
即座に、過去3年の給与支払い記録、出勤簿、労災・雇用保険の加入状況を整理し、法令遵守の証拠資料を準備してください。次に、申請予定者の選考過程を遡り、虚偽申告がないことを確認するための書類(学位証明書、職歴証明書の原本確認など)を収集してください。これらをもとに行政書士に事前相談し、申請の可否判定と必要書類の補完を行うことで、不交付リスクを大幅に軽減できます。