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連合が外国人技能実習機構に7項目を要請 実地検査での賃金確認や送出機関への支払費用の確認など、育成就労制度の2027年4月施行に向け

宮武薫
宮武 薫(みやたけ かおる)
公益社団法人さくら研修機構代表理事、入管申請取次行政書士

 連合(日本労働組合総連合会)は2026年9月30日、外国人技能実習機構(大谷理事長)に対し、育成就労制度の適正な実施と技能実習生・育成就労外国人の保護に関する要請を実施し、要請書を手交した。連合が10月5日に公表した。神保事務局長が大谷理事長に要請書を手渡し、その後、菅村総合政策推進局長が要請内容を説明して意見交換を行った。

 要請書は、在留外国人数が2025年末時点で過去最高の約412万人となり、そのうち「技能実習」「特定技能」の在留資格で働く外国人労働者が約85万人まで増加したと記している。また、両制度においては人権侵害行為や労働関係諸法令などの法令違反が7割を超えているとし、国籍にかかわらず一人ひとりの人権が守られ、安心して安全に就労できる労働環境の確保が不可欠だとしている。

 これらの数値は連合の要請書の記述である。要請は7項目にわたる。第1に、受入れ企業や監理団体・監理支援機関に対し、労働法や入管法等の関係法令の周知と理解促進をはかり、人権尊重に対する意識醸成に取り組むこと。第2に、技能実習生と育成就労外国人の賃金について、実地検査等の機会に、報酬の額が日本人の従事する場合の報酬の額と同等以上であることの確認を徹底すること、あわせて、育成就労外国人が送出機関に支払った費用が報酬月額の2か月分を超えていないことを確実に確認すること。

 第3に、育成就労制度で追加された段階的な日本語要件の達成に向けて、監理団体・監理支援機関および実施者が確実に取り組んでいることを確認すること。第4に、都道府県労働局等との相互連携をはかり、監理団体・監理支援機関や実施者への定期的な実地検査を徹底し、認定計画の履行状況や適正な職場環境と労働条件確保を確認すること、是正が必要な場合は適切に指導するとともに改善報告の確認を行うこと。

 第5に、機構の体制を強化し、機構の職員に対する労働関係法令・出入国管理関係法令等の研修を徹底すること、人員確保や人材育成のための予算確保について制度所管省庁に要望すること。第6に、技能実習生・育成就労外国人および特定技能外国人への相談支援で、メールやSNSなど多様な相談・援助体制を強化し、相談対応者の労働法・入管法・税法等の知見・専門性を高めること、各国語による相談・申告等の受け付け窓口等が活用されるよう周知し、関係機関や自治体等との連携を強化すること。

 第7に、育成就労制度の施行に向け、制度の趣旨や関係法令・運用要領等の周知・広報を行うこと、分野別運用方針で定めた日本語能力水準や上乗せ基準等について実地検査の際に適正な運用が行われているか確認すること、改正法施行前に育成就労制度および特定技能制度の受入れ分野の安易な拡大や基準の緩和がなされないようにすること。

 連合の神保事務局長は冒頭のあいさつで、ビジネスと人権の観点も踏まえ、国籍にかかわらず一人ひとりの人権が守られる必要性、安心・安全に就労できる職場環境の確保、受入企業に対する適正な雇用管理・在留管理のための指導・監督に言及し、来年4月から施行される育成就労制度の適正運用が求められると述べた。

 これに対し機構の大谷理事長は、技能実習生が安心できる実習環境の整備を続けるとともに、育成就労制度の2027年4月施行に向け、機構の指導監督機能や支援・保護機能の強化に必要な体制を確保するための予算要求に向けて主務官庁に要請していると述べた。

 意見交換では、外国人労働者を人手不足対策としての安易な労働力とみなさず生活者としてとらえる必要性や、実地検査の重要性、コミュニケーションのあり方などについて意見が交わされた。最後に神保事務局長は、「労働法令違反やハラスメントなどはあってはならない。

 外国人労働者に寄り添った支援とともに、適正な制度運用に向けた体制整備、予算や人員の確保が必要」「育成就労外国人および技能実習生が安心して働き、暮らせる環境整備に向け、一層の取り組みをお願いしたい」と述べた。

労務トラブル等の発生を未然に防ぐための実務上の対応や、外国人雇用に関するご相談は、専門知識を備えた適正な監理団体等へお問い合わせください。
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