在留資格手続き手数料引き上げの背景と概要
2026年7月、日本政府が在留資格の各種手続きに関わる手数料の引き上げを検討しており、外国籍労働者および関係団体から意見募集が進められています。具体的には、在留資格認定証明書交付申請、在留期間更新許可申請、在留資格変更許可申請などの基本手数料の見直しが対象となる見込みです。
技能実習生および特定技能労働者を受け入れている監理団体・受入企業にとって、この手数料引き上げは直結する実務コストであり、制度利用のメリット・デメリットの再評価につながる重要な変更です。
手数料引き上げが対象とする具体的な手続き
出入国管理及び難民認定法(入管法)に基づく各種在留資格関連手続きの多くが影響を受ける可能性があります。特に以下の手続きが検討対象と考えられます。
・在留資格認定証明書交付申請(入管法7条、令和6年省令改正に関連)
・在留期間更新許可申請(入管法16条)
・在留資格変更許可申請(入管法20条)
・就労資格証明書交付申請(入管法19条の2)
技能実習制度では、実習生の入国時と更新時に認定証申請が必要であり、監理団体が申請代理人として対応している場合、手数料分のコスト増が直接的に経営に影響します。育成就労制度についても、制度本格運用に伴う在留資格手続きの増加が想定されており、手数料体系の整備は避けられない状況です。
監理団体・受入企業が準備すべきポイント
政府の意見募集期間内に、自社の実際の負担額試算と影響分析を実施することが重要です。また、外国人労働者側への説明責任も発生します。技能実習生の送出国への説明や、特定技能人材への事前情報提供を検討する必要があります。
詳細な制度改正情報や具体的な対応方法については、さくら中央法務事務所(在留資格専門)までお問い合わせください。
【実務上の影響】監理団体は技能実習生の一人当たり受け入れコストが増加するため、送出国機関への説明や実習生側の負担額調整が必要になります。受入企業の中には在留資格更新時の代行費用増加を理由に手続き方法を変更する可能性もあり、適切なコスト配分をあらかじめ検討しておく必要があります。特定技能制度の導入検討企業にとっても、初期段階での手数料コスト把握が事業採算性の判断に直結します。
【注意すべき落とし穴】手数料引き上げ幅が確定する前に、現行制度下での申請を急ぐ事例が増加するリスクがあります。しかし、過度な申請集中は入管当局の処理遅延につながり、逆に実習生の入国遅延や更新許可遅期の原因となる可能性があります。また、手数料改正と同時に申請手続きそのものが簡素化される場合もあり、現時点での急ぎ申請が必ずしも企業利益につながらない場合があります。外国人材側への説明不足は信頼関係損失につながるため、政府方針の確定を待った上での段階的な通知が重要です。
【今すべきアクション】現在実施されている政府の意見募集に積極的に参加し、自社の具体的な負担額試算結果と事業への影響を記録しておくことを推奨します。併せて、現行手数料での申請件数予測と手数料引き上げ後の予想コストを整理し、経営層と共有してください。外国人材との契約内容に手数料負担に関する記載がある場合は、改正確定後の対応要領(説明時期、額面調整の有無など)をあらかじめ法的に検証しておくことで、トラブル防止につながります。