技能実習生の受け入れを仲介する「監理団体」が、事業者間で売買されている実態が明らかになっている。2025年3月時点で全国の監理団体の数は3755件にのぼるが、厚生労働省はこうした売買の実態を把握できていない状況だ。売買の手口は、事業協同組合の代表理事など役員の地位を第三者に譲る形で行われ、売却代金は「顧問料」や「退職金」などの名目で元役員らに支払われる。
技能実習法にはこうした取引を規制する規定や罰則が存在しないため、違法とは言えず、行政として規制することもできない状態にある。背景には、2026年4月に始まる育成就労制度の存在がある。新制度の施行を見据えて監理団体の許可枠や既存の受け入れ実績に商業的価値が生じ、取引が活発化しているとみられる。
実務上の注意点として、監理団体の売買が技能実習法の想定外であるがゆえに規制の空白が生じている点は重要だ。監理団体を利用する企業や技能実習実習実施者は、取引によって代表理事等の役員が交代した監理団体については、その運営実態や指導・監査体制が従前と変わっていないか改めて確認する必要があるといえる。
また、中小企業庁も所管にかかわる組合の問題として関係しており、育成就労制度の開始にあたって制度上の対応が求められるかどうか、今後の動向を注視する必要がある。
