物流業界で外国人ドライバーを採用する動きが広がっている。読売新聞によると、在留資格の特定技能1号に運送業が認められたことが契機となった。運送業はもともと技能実習制度などの外国人就労資格の対象ではなかったが、2024年から、トラック、バス、タクシーの自動車運送業でも特定技能1号の人材の雇用が可能になった。
認定されれば最大5年間働くことができ、2028年度末までの受け入れ人数の上限は2万2100人となっている。2026年8月末時点で約7500人が試験に合格しており、タクシーやバスの運転手に比べ、乗客に日本語で接客する必要がないトラック運転手が合格者の8割超を占める。
福山通運では今年、インドネシアからの約30人が社員として来日した。同社は外国人でも運転しやすいよう、普通免許でも運転できるいすゞ自動車の小型トラック「エルフミオ」を36台導入し、10月から順次運転業務を始めている。インドネシア人ドライバーの男性(43)は「早く日本の道に慣れたい」と意欲をみせた。
福山通運の桑本聡常務は「特定技能で働ける期間は限られる。即戦力として働いてほしい」と述べた。SBSホールディングスも2025年に外国人ドライバーの採用を本格化し、今後10年で運転手全体の約3割にあたる1800人の外国人を確保することを目指している。
受け入れが進む背景には、慢性的な運転手不足がある。高齢化や人口減といった構造的な要因に加え、2024年4月に年間の残業時間で960時間の上限が設けられたことで人手不足に拍車がかかった。トラック運転手の有効求人倍率は2023年度の2.18倍から、2025年度は2.49倍に上昇し、繁忙期には宅配便の遅延といった悪影響も生じ始めている。
今後、物流倉庫で作業を行う人材についても特定技能1号の受け入れが始まり、業界全体で外国人が働く機会が拡大する見込みだ。一方、安全確保に向けた環境づくりが課題となる。実務上は、外国人ドライバーを採用する企業は、日本の交通ルールへの理解など安全確保に向けた環境づくりの状況を確認する必要がある。
