在留資格「技術・人文知識・国際業務」(通称「技人国」)は、留学生や海外人材が日本の労働市場へ参入する主要な回路となっている。しかし、この資格を取得して労働市場に参入した人々が、実際にどのような産業や雇用の現場に接続しているのかについては、公的統計からは十分に見えてこないという課題がある。
「技人国」と「特定技能」の大きな違いは、対象産業の明示度にある。「特定技能」は人手不足が深刻な特定産業分野に紐づき、分野ごとに想定される活動内容が比較的具体的に整理されている。これに対して「技人国」は、特定の産業分野ではなく、自然科学・人文科学の分野に属する技術・知識、または外国文化に基づく思考・感受性を必要とする業務に紐づいている。
そのため、同じ製造業、宿泊業、外食業のなかでも、「特定技能」で想定される活動と「技人国」で認められうる活動が隣接し、実務上の区分が曖昧になる領域が生じている。 厚生労働省の統計によれば、「技人国」の在留者数は「技能実習」や「特定技能」を上回り、就労を目的とする在留資格のなかで最大の集団となっている。
東京都に次いで製造業の集積する愛知県に多く所在し、近年大きく増加している。しかし、統計から浮かび上がるのは大まかな輪郭に過ぎない。第一に見えにくいのは職務内容であり、製造業で働く外国人労働者の数は把握できても、設計、生産管理、通訳、現場管理、営業補助などの内訳は産業分類だけからはわからない。
