永住許可制度の抜本的厳格化が決定
出入国在留管理庁は2026年7月31日、「第二次出入国在留管理基本計画」を公表した。2019年以来の基本計画改定となる同計画には、永住許可制度の運用を現行より厳格化する具体的な方針が盛り込まれている。
新たに設定される4つの要件
永住許可に際して、以下の新要件が導入される見通しである。
第一に、年収要件が新設される。日本人の平均世帯年収以上の年収を継続して達していることが求められる。これは将来的に生活保護に依存せず生活できる水準を確保する目的である。
第二に、年金要件が設定される。受給できる年金額が、厚生年金に30年加入していた場合の受給額に達することが原則となる。老後の生活基盤確保を意図した要件である。
第三に、日本語能力要件が明文化される。一定水準の日本語能力を有すること、および日本の制度を学ぶプログラムの修了が許可条件となる。
第四に、既存の「独立の生計を営むに足りる資産又は技能」要件および「国益に適合すること」要件について、所得基準の明確化を含めた見直しが行われる。
ガイドライン改定と透明性向上
永住許可ガイドラインは2026年10月の改定が予定されている。改定では許可取消しに至る事由が明確化され、運用の透明性が高められる見通しである。
監理団体および受入企業は、技能実習修了後の永住許可を見据えた外国人材の採用・育成戦略の見直しが必要となる。特に年収・年金要件の導入により、低賃金労働力への依存構造が維持困難となる見通しである。外国人材側も、日本での長期滞在を前提とした生計基盤の構築がより重要になる。
2026年10月の具体的なガイドライン改定内容が未公表のため、現時点では新要件の詳細な適用基準が不明確である。特に『日本人の平均世帯年収』『一定水準の日本語能力』『国益に適合する』といった文言の具体的運用基準が明らかになるまで、対応判断が困難である。許可取消し事由の明確化も、既取得者への遡及適用の有無が不透明なリスクが残る。
監理団体・受入企業は、2026年10月のガイドライン改定発表を待たずに、現在の在籍外国人材の年収水準・年金加入状況・日本語能力の実態把握を急ぐべきである。併せて、労務管理体制の整備と日本語教育プログラムの拡充を検討し、新要件への対応準備を進めることが重要である。