計画策定の背景
出入国在留管理庁は2026年7月31日、「第二次出入国在留管理基本計画」を公表しました。前回の策定は2019年であり、約7年ぶりとなります。策定の背景には、在留外国人の急速な増加があります。2025年末時点での在留外国人数は約413万人に達し、総人口比では3.35%となり、過去最多を記録しています。この急増に対応するため、新たな基本方針が必要とされました。
永住許可制度の見直し
計画の重要な柱が永住許可制度の厳格化です。永住許可ガイドラインの改定と、取消し事由の明確化を進め、透明性を向上させます。これまで不透明とされていた許可基準を明確にすることで、許可申請者の予測可能性を高めつつ、不適切な者への許可を防ぐ仕組みが強化されます。
DX推進による業務効率化と利便性向上
計画では電子化の推進を重視しています。電子渡航認証制度「JESTA」を令和10年度中に導入予定とするほか、マイナンバーを活用した他行政機関との情報連携を令和9年から開始します。難民認定手続についても、書類の電子化と審査の迅速化が進められます。これにより、手続全体の効率化が図られます。
不法滞在対策の強化と新技術活用
不法滞在対策も重点施策です。「不法滞在者ゼロプラン」に基づき、退去強制手続の厳格化、送還・出国命令の徹底、摘発体制の整備が行われます。さらにSNS分析やAIによる自動巡回システムの導入検討も進められており、監視体制の高度化が進みます。
新制度への準備と人材育成
2027年4月の施行を控える育成就労制度に対応するため、外国人技能実習機構等の体制整備が進められています。また、日本語学習プログラムの試行導入も計画に含まれており、受け入れ環境の整備も重視されています。
【実務上の影響】監理団体・受入企業は永住許可基準の明確化により申請戦略を見直す必要があります。DX推進に伴い、JESTA導入やマイナンバー連携により、申請・届出手続の電子化対応が段階的に求められます。育成就労制度の2027年4月施行に向け、現在の技能実習機構等の体制整備が加速するため、新制度への移行準備を始める時期となっています。
【注意すべき落とし穴】永住許可の厳格化に伴い、既存の許可基準の予測が困難になる可能性があります。ガイドライン改定の詳細が公表される前に、従来慣行に頼ることは危険です。また、DX推進による電子化は段階的導入のため、各システムの開始時期をスケジュール管理する必要があります。不法滞在対策の強化は、書類不備や手続遅延による在留資格喪失リスクを高める可能性があるため、コンプライアンス体制の強化が急務です。
【今すぐ取るべきアクション】監理団体・受入企業は改定されるガイドラインの公表を注視し、永住許可申請戦略の見直しを開始してください。JESTA導入予定時期までのスケジュールを確認し、システム対応の準備計画を立案することが重要です。育成就労制度の詳細告示が発表される際に備え、現行技能実習制度との相違点を把握し、外国人技能実習機構等の新体制に適応する体制整備を進めてください。