特定技能2号に「在留5年」制度が2027年1月施行
政府は特定技能2号(建設・造船・自動車・電子機器・航空・介護等の指定産業)の受け入れ制度を拡充し、新たに「在留5年」の在留期間制度を2027年1月1日より施行する方針を決定しました。従来の特定技能2号は最長で通算10年の在留を許可してきましたが、今回の改正により、一度の許可更新で最大5年間の連続在留が可能となります。これは、外国人材の長期的な雇用関係の安定化と、受入企業における技能継承と人材育成の加速を目的としたものです。
法的背景と制度設計
特定技能制度は「出入国管理及び難民認定法」(以下「入管法」)に基づき、省令で在留期間の上限が定められています。従来の特定技能1号は通算5年(1年・6ヶ月・4ヶ月の3区分)、2号は無制限(分野による上限設定)とされていました。今回の改正は、2号の柔軟性をさらに高め、「在留5年」の一括許可オプションを設けることで、受入企業と外国人材双方の利便性向上を図るものです。この変更は、入管法施行規則及び法務省関連告示の改正を伴い、2027年1月1日施行予定です。
受入企業と監理団体に与える実務的な影響
本制度の導入により、受入企業は長期雇用契約の設計がより容易になり、外国人材の5年間の安定就労が法的に保障されます。一方、監理団体は申請時点での「在留5年」の選択肢提示、及び5年間にわたる継続的な支援体制の整備が必須となります。技能実習制度との相違点として、技能実習(3年または5年)から特定技能2号への移行時に、新たな在留期間選択肢を提供する必要が生じます。詳細な対応方法については、 ← 最新ニュース一覧へ戻る
よくあるご質問(FAQ)
特定技能2号で「在留5年」を選択した場合、1年・6ヶ月単位での更新はできなくなるのか?
法的には未定ですが、本制度の趣旨から「在留5年」を選択した場合、その期限まで更新申請を行わないことが想定されています。ただし、異動(転職)や離職時は個別対応が必要になる見込みです。詳細は施行規則改正時に明らかになります。
技能実習2号から特定技能2号への移行時に、「在留5年」制度は適用されるのか?
適用される見込みです。むしろ、技能実習(3年または5年)を修了した外国人材が、特定技能2号で「在留5年」を選択することで、通算10年超の長期就労が可能になる場合が想定されています。ただし、技能検定合格や監理団体の支援履歴等の要件は変わりません。
「在留5年」制度のメリット・デメリットをどう判断して選択すべきか?
【メリット】長期雇用が確定し、人材育成投資の回収が容易、管理事務の簡素化。【デメリット】初期審査が厳格化、5年間の支援義務が重い、途中での条件変更が困難。経営規模・産業・人員構成で判断してください。
「在留5年」許可後、途中で解雇や転職になった場合、どうなるのか?
外国人材は解雇等により雇用契約が終了した場合、速やかに監理団体に報告し、新たな転職先を探すか帰国する必要があります。受入企業の責任で、失業期間を最小化する対応が求められます。法的には在留資格喪失リスクが生じるため、充分な注意が必要です。
監理団体として、「在留5年」対応の支援体制の最低要件は何か?
詳細は告示改正で示されると予想されますが、最低限①専任の支援員配置(複数言語対応)、②月1回以上の定期面談記録、③日本語学習機会の提供、④労働環境の定期監査が必要になると見込まれます。
本改正により、受入企業は外国人材との長期的な事業戦略立案が可能になり、特に製造業・建設業・介護等の人手不足分野での人材確保が容易化します。一方、監理団体は5年間継続的な支援義務を負うため、管理体制の拡充・支援人員の確保が急務となります。外国人材にとっても、5年単位の安定就労が可能になることで、技能実習から特定技能への円滑な移行が促進されるメリットがあります。
重大な落とし穴として、「在留5年」一括許可の申請時に、入管局による初期審査が従来より厳格化される可能性が高いという点が挙げられます。特に、雇用契約書の5年間の安定性立証、監理団体による5年間の支援計画書提出、および職場環境・労働条件の継続性が強く問われるでしょう。また、施行前の移行期間が短いため、多くの受入企業が準備不足のまま申請し、不許可や条件付き許可となるリスクがあります。
受入企業と監理団体は、即座に以下のアクションを実施してください:①自社の人材確保戦略を改めて整理し、「在留5年」制度の活用可否を判断する、②監理団体と協力して5年間の支援計画書(支援人員配置・定期面談・日本語教育・生活指導等)をテンプレート化する、③入管法施行規則改正の最新情報を注視し、許可要件の詳細が公示された時点で雇用契約書・支援計画を改定する。弊事務所では、2027年1月の施行前に、個別企業ごとの対応方針の相談・申請書類の事前準備をサポート可能です。